海――
 そう、気がつけば、遙か彼方まで続く海が、僕らの目の前に広がっていた。

「うわあ……!!」
 おもわず声をあげた。
 みんなも口々にその輝く光景に感嘆を漏らす。
「恭介……!」
「ああ」
 しっかりと前を見て運転をしながらも、恭介は左手を……海のほうをちらりと見る。
「海だ――」
 その淡々とした声は、これから始まる楽しい事に対する期待を隠し切れないかのように――僕には聞こえた。