旅の途上のふたりは、砂漠のオアシスで開かれたバザーで、気になる噂話を耳にする。遠い昔、火を崇めるシャムスの異教徒が、この近くで暮らしていた、というのだ――。
原曲がとても佳い曲なので(繰り返し繰り返し聞いています。さすがZABADAK)、アレンジのほうは、ハープとオカリナでシンプルに。音域についてはあれです。オクターブ違いの管を瞬時に持ち替えているという設定でお願いしたく……。
噂の場所は、“忌まわしき”東の岩山。そこに穿たれた細く深い谷筋の底に、洞窟があった。僅かだが……岩壁に人の手が入れられた形跡がある。
単調に単調に。メロディ以外は同じ音をひたすら繰り返しています。冷たく湿った、青白い洞窟になっていればいいのですが。良くも悪しくもBGM的で、曲自体に面白みはあんまりないかもです……。
“石”に導かれてたどり着いた洞窟の奥には、壮麗な……しかし人の気配の絶えて久しい神殿――どうやらそのように見える――があった。ナジュムが足を踏み出す。かたりと足音が響く。それに呼応するかのように、どこか遠くのほうから、歯車のような音が聞こえてきた。
桜庭統ダンジョン風に!……というコンセプトで原曲を一番いじくり倒した感じです。若干マニアックな傾向ですが、オリジナルの『Crash illusion』の後半だって5拍子+6拍子だし、つい……。プログレッシヴ・ロックのテンプレ(←自己矛盾表現)そのままって感じもしますが(笑)
それは、
イトケン風に!……こういう歌謡曲風のメロディはイトケン戦闘曲にぴったりですね! ニコニコ動画などで使い古されたネタですが、せっかくだからやってみました。
崩れる洞窟をきわどいところで抜け出して、ふたりは天を仰ぎ見る。高かった陽はとうに沈み、闇と星々の時間が訪れていた。神殿の崩壊など、まるで意にも介さずといったふうに、岩山は星空に黒々、悠然とそびえていた。
最後はシンプルにオルゴール。彼らの未来に幸あれ。
そんなわけで、『もしナジュStS』をお送りしました。タイトルそのまんまですね。そしてストーリー(らしきもの)は、どちらかというとファルコムっぽいというかYsですね……。ともあれ、それっぽく聴こえましたら幸いでございます。
余談ですが、『ナジュムの星空』、世界観的にはA-RPGにマッチしていると思うのですが、よく考えたらアルファルドって武器を使わない、戦うときは徒手空拳、って設定があるんですよね。これをA-RPGにするなら、いっそメタルギアみたいなステルスゲームになるのかも、なんて思ってみたり。
最後に謝辞を。即売会で使ったポップには、透音さんのtwitpicの絵を使わせていただきました。素敵な絵の使用許可、ありがとうございます。
『ナジュムの星空』については説明不要とは思いますが、ご存知ないかたはこちら:[サウンドストーリーCD【ナジュムの星空】] Ritaさん×樫田レオさん×ZABADAK、ドラマCD+サウンドトラック+ブックレットのセットでお値段はなんと\3,000のお買い得! まだ入手していない方がおられましたら、いますぐばいなう!
arr. by A. Takigawa & Cackleberry Works published on March 3, 2013